監督 マイケル・レーマン 脚本 ダニエル・ウォーターズ 1989年 アメリカ
これは凄い映画だ。
こんな映画が89年に撮られていたとは…。
今、こんなに尖った映画はもう作られることはないだろう。
高校生の時に見られたら、すごく気持ちにしっくりきたと思う。
あの頃はいつもこのようなことを考えていたような気がするんだ。
本当にブラックさ加減が半端ない。
ウィノナ・ライダーは学園女王グループ、ヘザーズ(グループの三人共に名前がヘザー)に引き入れられたが、おもにヘザーズのパシリばかりさせられ、毎日こき使われていた。
そんな日々にうんざりしていところに、ミステリアスな危険な香りのする転校生のクリスチャン・スレーターと知り合いになり、付き合いだす。
ヘザーズのリーダー、チャンドラーのヘザーから「転校しなよ。今の学校じゃ誰にも相手にされないよ」と罵られたウィノナはスレーターに冗談半分に彼女を殺したいと話す。
ヘザーの家に忍び込んだウィノナとスレーターは彼女に洗剤を飲ませ、殺してしまう。
人の筆跡を真似することが得意なウィノナは偽の遺書をつくり、ヘザーの死は自殺ということに片付けさせることに成功。
さらに二人はウィノナとセックスしたという噂を立てたフットボール部員2人もゲイの心中ということにして殺してしまう。
この映画の中で、ウィノナとスレーターがあれよあれよと人を殺していく様はコロンバイン高校の事件と絡めて語られることが多い。
私の持っている映画の紹介の本「101 MUST SEE MOVIES FOR GAY MEN」に「ヘザーズ」が紹介されている。
この本で取り上げられているのは、ウィノナとスレーターがゲイの心中にみせかけてフットボール部員2人を殺すエピソード。
全体的にこの映画はかなりブラックなのだが、特にこのエピソードが私も面白かった。
ウィノナとスレーターが殺したフットボール部員のJocksは彼らより弱そうな男子(主に文系)を見るやいなや、根拠もなしにFaggot Faggot と罵る。ときには暴力をふるいながら。
スレーターも彼らの標的になり、からまれたスレーターは学校のカフェテリアで彼らを空砲ながら銃で撃ち、停学処分になったりしていた。
「ゲイ」をろくにものも考えず人を攻撃する材料にしているアホなジョックスを、その彼らが最も忌み嫌っている「ゲイ」に仕立てて殺すなんてなんとブラックなのだろう。
ブラックすぎる。
どうやってノンケの二人をゲイの心中ということにしたかというと、裸の2人の遺体のそばにゲイ雑誌やウィノナが偽装した遺書などを紙袋に入れておくだけ。そして紙袋の中のアイテムで彼らがゲイであったとみんなに思わせる一番の決め手になる品は何とミネラルウォーター。
この映画における田舎の男たちの思想として、ミネラルウォーターなんか飲んでいるやつはゲイであるというのがあるんだって(笑)
なんじゃ、そりゃ
「本物の男が飲むものはビール」というマッチョな考え方らしい。
まったくなんじゃ、そりゃ
フットボール部員2人の葬式で彼らの父親の一人が
「お前がホモであったって、そんなことは気しなかったのに。お前は俺の誇りだった。息子がホモでも俺は愛している。俺はホモの息子を愛している」
と涙ながらにスピーチしたのを聞いたスレーターが
「もし彼が今でも生きていたら、オヤジがそう考えるかは疑わしいな」
と、突っ込みを入れるところもたまらなくダーク。
ホモファビアの人たちをここまでおちょくっている映画は珍しいかもね。
スレーターとウィノナのコンビはとても良かった。俳優2人の善悪の境界線が緩そうなところが、怒涛のストーリー展開をスムーズに進めるのに役立っていたと思う。
始めから終りまでブラックで終わり方もクール。
DVD化して欲しいな。近くのレンタル店にもなかったからオークションで買ったんだ。
本当に最高に面白かった。
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北米映画 Janre:
映画 Thread:
No.58 :
2008/06/23(Mon) 20:32:34
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